制震には寿命がある?詳しく解説

住宅の地震対策の方法として「耐震」、「免震」、「制震」がありますが、その中で制震には寿命があるのでしょうか?「名前は知っているけど、地震対策についてしっかり把握してない」という方に向けてもそれぞれの工法について紹介します。

 

1.地震対策の3つの工法

 

1-1.耐震

地震に耐えるために建物を強く固め、耐え忍ぶ工法を言います。壁に筋かいを入れ、部材の接合部を金具で補強などします。耐震のメリットはコストが安く、工期が短い、自由に設計しやすい点です。

 

建築基準法は2000年に大きな改良がされており、耐震基準をクリアした住宅が建てられます。デメリットは上の階ほど揺れが大きくなり、家具が転倒しやすく、揺れが何度も続くと効果が軽減します。

 

1-2.免震

基礎と土台の間にエネルギー絶縁装置を設置して、構造躯体に作用する地震エネルギーを伝えないようにする工法です。建物と基礎の間に免震装置を設けることで地震の力を受け流し、建物の揺れを軽減します。

 

メリットは地震による揺れが小さく、建物の内側の破損を防ぎます。デメリットは横揺れの地震には強いけど、その他は弱い、コストが高いなどです。他にも装置使用されているゴムの耐用年数は60~80年と言われていますが、完全に実証にされてはいません。

 

1-3.制震

制震は地震にブレーキをかける工法です。建物内部に「ダンパー」などの部材を組み込み地震や台風などによる揺れを吸収します。地震の揺れそのものを抑え、建物の損傷、倒壊を防ぎ家具の転倒による被害も軽減する効果が期待できます。

 

制震のメリットは建設コストが安く揺れに強い、メンテナンスが比較的簡単で、台風などの揺れにも強いです。デメリットは装置の設置箇所や場所によって効果に影響が出るため、適切な場所に設置する必要があります。他にも地盤の影響を受けやすく、軟弱な土地に建てた場合、十分な制震効果が得られない可能性があります。

 

以上、地震対策の工法について紹介しました。

次に制震を中心に紹介します。

 

2.制震について

制震と一言に言っても、いろんな種類があります。その種類と耐久年数について調べてみました。

 

2-1.制震にも種類がある

・オイルダンパー

シリンダーのような筒状の容器に注入されたオイルが揺れを吸収します。揺れを受けるとピストンが作動し、容器にあけられた穴からオイルが移動することでバランスをとります。

 

・粘弾性ダンパー

ゴムやシリコンなどの弾力のある素材の性質を利用して、揺れを吸収します。

 

・鋼材ダンパー

力が加わると折れ曲がる金属の性質を利用し、折れ曲がる際に発生する熱エネルギーで地震の揺れを吸収します。

 

2-2.制震の寿命(耐久年数)は?

制震の寿命は取り扱っているメーカーによって様々です。

オイルダンパーでは約60年~80年程度です。その間のメンテナンスフリーで取り扱っている会社が多いです。粘弾性ダンパーではメンテナンスフリーです。耐久年数は約90年~160年、鋼材ダンパーもメーカーによって耐久年数が変わりますので、よく確認しましょう。

 

3.まとめ

以上、地震対策の3つの方法と耐震の耐久年数についてご紹介しました。マイホームを検討している際の地震対策として種類や方法のメリット・デメリットを調べてしっかり対策しましょう。

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